びぼーろく。

広告業界のとある記憶力乏しき男の脳みそのバックアップ

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【インサイトってなんだっけ?】 深い理解って意外と難しい

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※前提として、マーケティングリサーチ領域におけるコンシューマーインサイトの話をします。

なんだか色々な定義がありますが、僕の勝手な認識としては「生活環境や意識変化を含めた生活者起点のストーリーを明らかにすることで得られる新たな知見」がコンシューマーインサイトです。

 単純なFindings(ファインディングス)ではなく、その裏にあるInsight(インサイト)を探ることで、より効果的な施策やプロダクトを生み出せるわけですね。

 

さて、実務の中で結構思うのですが、やっぱインサイトを見つけるって結構難しいです。当たり前のことですが、それが出来るからこそ分析者としてのバリューになるわけですね。ということで、なぜ難しいのかを備忘録。

 

データの不備・データ取得方法(Measurement)

データの不備でよく分からないケースって意外と多いように思います。しかも不備だと気づかずにミスリードしてしまっていることもあったりします。

なので、データを得る時に、そのデータの出処と取得方法や定義をしっかり認識した方がいいです。それでもなお、データの粒度が適切じゃなかったり、特定のバイアスが含まれていたり、外部影響を受けていたり様々なハードルがあるわけです。これはセンサスデータと"呼ばれている"データでも似たことが起こり得ている気がします。理想的なデータって中々ないんですよね・・。

 

発想が凝り固まっている

長く特定の業界や商品を見ていると固定観念のがんじがらめになったりします。「過去の調査では~だったしなあ」とか「いや、~な人なんていないだろ」とか「あの人が~って言っていたしなあ」とか。あとは適当につくったカスタマージャーニーマップを信じ切って、まるでそれ以外の経路は存在しないかの如く思い込んでしまったり。

だから事業会社の人はコンサルを雇ったりするわけですよね。

 

そもそもよく理解できていない

データが理解出来ないというのは置いておいて、生活者の意思決定プロセスの構造を理解出来ないというは割と多いです。といいつつ、こんなもんよく分からないです。自分の意思決定プロセスすらよく分からないですし。でも、そうも言っていられないので、理想的なプロセス(ファネル・フロー)を描いてしまいます。もちろんそれが間違っているわけではなく大多数に当てはまりそうなものであれば良いと思いますが、割と盲目的になりがちな気もしています。フレームワークとしては理解しやすいんですけどね。

よく理解できていないケースの多くで、自分と違う価値観やライフステージの人をターゲットにしていることがあります(こればかりは業務上仕方ないです)。アラサーの僕には、自撮りを晒しまくる女子中高生の気持ちも羽生選手にキャーキャー言うおばさまの気持ちも全く分からないわけなのです。一軒家を買った僕には、住宅ローンの選択プロセスは何となく想像できますが、タワマンを買う人の気持ちは分からないのです。でも、例えばですが、週末に家の掃除でストレスを溜めている妻の姿は見ているので、どういう掃除機があると良いのかとかは想像出来るようになったりします。

何を言いたいかというと、自分で実体験したり(もちろんそれで固定観念を作り過ぎない方がいいですが)、身近で観察することで得られる知見があるわけです。想像上のペルソナじゃなくて、実人物の視点で。

 

 

つらつら書いてしまいましたが・・・

まとめると、正しいデータを得て、そのデータの定義やバイアスを正しく理解し、固定観念を捨てて、生活者の意思決定プロセスの構造を理解して、多様な生活者の価値観やライフステージやモーメントをその人視点で考えることで、インサイトに近づけるのかも。というわけです。 

 

では、最後にもう少し具体的に、実際にどんな手法&データを使ってインサイト発掘を進めたら良いのかを書いてみます。 

 

定性的手法に関しては、各企業のファン/会員やリサーチ会社のモニターを集めてディスカッション(グループインタビュー)をしたり、エスノグラフィに協力してもらっても良いと思います。それによって、仮説抽出をしていきます。カスタマージャーニーの場合は、実データから行う際は中々自社のデータだけでは完結出来なかったりします。外部からデータを仕入れながら完成させ、顧客のタッチポイントを見直してデザインしていきます。

 

定量的手法に関しては、取得出来るデータは数々あるかと思いますが、重要なのは"個人に紐付けられたリッチなデータ"だと思います。商品・サービスカテゴリによって差はあると思いますが、主に以下の様なデータを得られると良いと思います。思ったようなデータを得るのって中々難しいんですけどね。。

  • 属性データ(Demographics)
  • 価値観・ライフスタイルデータ(Psychographics)
  • 購買ログデータ(購買履歴データ、家計簿データなど)
  • メディア接触ログデータ(webアクセスログスマホアプリ利用ログ、TV視聴ログ、Cookie等による連携情報など)
  • 実行動データ(交通機関情報、位置情報など)
  • その他、CPNのA/Bテスト結果やアンケート回答データなど

 

※アンケート実施の参考に

bbrk.hatenablog.com

 

こうしたデータによって、セグメンテーションをして、セグメントごとにプロファイリングをし、定性情報を合わせてインサイトを得てコミュニケーションプランニングに反映させていくのが王道なんじゃないかなと思っています。

 

ちなみに、突き詰めていくとキリがないので、現在の状況を鑑みてどこまで"生活者理解"すればよいかを事前に決めておくと良いと思います。また、定期的に見直せるように再現可能な方法で行いましょう。

 

 

以上です。別途、良い事例を発見したら紹介します。

 

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